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医療事務になるには?
未経験からなる方法と仕事の見つけ方を解説!
一般的に医療事務という仕事には、「手に職を持つ仕事」「安定している仕事」など様々なイメージがあるかもしれません。
医療事務は、求人数も多く、出産後も働ける仕事として特に女性に根強い人気があり、
未経験の方でも比較的チャレンジしやすい職業として知られています。
医療事務を目指したいという方は「医療事務ってどんな仕事をするの?」「未経験から医療事務の仕事に就けるの?」「資格は必要なの?」
といったことが気になると思います。
本記事では、未経験から医療事務員の目指し方と医療事務のキャリアアップについて解説します。
この記事の監修者
谷 京香
たのまな医療事務通信講座の講師、講座監修/ ヒューマンアカデミー医療事務講座の講師、講座監修 / ヒューマンリソシア株式会社 メディカル部門 マスターズマネージャー
未経験でも医療事務に就くことは可能?
医療事務の仕事は、医療業界の中でも実際、他業種からの転職が圧倒的に多い職業であるといわれています。 医療事務になるために専門の学部や大学に通う必要がない職業のため、比較的ハードルは低く、医療関連の職業の中でも目指しやすい職業であるといえるでしょう。 未経験でも医療事務に就くことは、十分に可能です。
しかし裏返すと、医療事務はとても競争率の激しい職種だといえます。 「医療事務になりたい」と希望する人が多ければ、雇用する側としては当然、未経験者よりも即戦力となる経験者の方を採用したいと考えます。 専門の学部や大学に通う必要がないといっても専門性のある職業なので、用語や診療報酬の請求、レセプト作成などを身につけておくことで、 就職の際のアピールとなります。医療事務への転職では、「経験者>未経験者(資格保有者)>未経験者」といわれており、 他の求職者の一歩先をいくために努力していくことが大切です。
医療事務になるために資格は必要?
医療事務は、資格や学歴が必須ではありません。未経験からでも医療事務に挑戦できます。
ただし先ほど述べた通り、医療事務は人気の職種で競争率が高く、また、一般の事務職とは異なり、以下のような専門知識を求められる業務を行います。
- 窓口業務・・・診療情報を取り扱い、患者さんとやり取りする
- レセプト業務・・・診療報酬請求のための診療点数の計算・請求書の作成
- クラーク業務・・・医師・看護師の秘書業務やカルテや検査の準備など
未経験から医療事務を目指す方は、仕事に就いてから業務を学ぶこともできますが、資格を取得することで業務の知識とスキルを身につけることができます。 医療事務になるために資格は必須ではありませんが、業務に必要な知識を持ち合わせている証明になったり、 業務経験がなくても自信を持って業務に取り組むことができるでしょう。
病院の医療事務と診療所(クリニック)の医療事務の違いは?
医療事務としては色々な就職先がありますが、代表的な就職先である大きな病院と個人のクリニックでは何が違うのでしょうか?
病院の場合
科が多く、入院、処置、調剤など仕事が細分化されているケースが多いです。外来で受付業務がメインとなる場合もあれば、 レセプト業務をメインに行う場合もあります。担当の部署で深いスキルを修得できるでしょう。 また医療事務だけでなく医師や看護師などたくさんの人が働いているため、人間関係も幅広くなります。将来性が高く、転職にも有利です。
診療所(クリニック)の場合
医療事務はもちろん、受付や雑務など幅広い仕事を担うケースが多いようです。一人で何でもこなせるようになるため、幅広いスキルが身につくのが魅力です。 病院に比べると働く人数が少ないため、深い人間関係が構築できます。また地域に密着している診療所が多く、 患者さんとの距離も近くなり、やりがいを感じることも多いでしょう。
病院と診療所(クリニック)どちらが就職しやすい?
未経験で医療事務を目指す上では、病院と診療所どちらを目指していきたいのか決めていくことをおすすめします。
病院は現在全国で8,000施設ほどありますが、診療所は10万を超えています。そのため、病院の求人数は少なく、また、応募も多い傾向にあります。
未経験の方であれば診療所のほうが仕事が見つかるチャンスは多くなるでしょう。
診療所から病院へ転職する場合は、医療事務の最高峰である診療報酬請求事務能力認定試験に合格しているなどのアピールポイントがあるとベストです。
正社員?パート?就業形態別仕事の見つけ方
医療事務の仕事は、女性のライフステージに合わせて就業形態を選びやすいことも人気のひとつ。特に、福利厚生が整った正社員として働きたいと思う方も多いはず。未経験から正社員を目指すには、以下の3つの方法があります。
1.正社員の求人を見つける
医療事務の正社員を目指す方は、まずは正社員募集の求人にチャレンジしてみるといいでしょう。 医療事務の求人には、アルバイト、パート、派遣、正社員の雇用形態があります。 求人サイトやハローワークに行って、正社員求人の募集を見つけましょう。
ただし医療事務の正社員求人は、募集が集中しやすかったり、医療事務経験者が求められることがあります。 未経験歓迎かどうかは求人によって異なるため、その点を確認しつつ求人を探してみましょう。
2.派遣社員から正社員へ
医療事務の正社員を目指す2つ目の方法は、派遣社員からスタートすることです。 始めから社員で安定を狙うのも1つの選択肢ですが、正社員で就職すると、 職場が合わなかったり労働条件が異なったりする場合に辞めにくいことが気になる方もいると思います。
そのため、腰を据える場所を吟味したいという方は派遣会社へ登録して、正社員雇用ありの求人を探してみましょう。また、派遣先の会社に直接雇用されることを前提に派遣される「紹介予定派遣」もあります。
トラブルがあった場合、派遣会社が第三者機関として間に立ってもらえるので、その点でも安心できることが派遣社員のメリットでもあります。
3.アルバイト・パートから正社員を目指す
医療事務の経験が浅い方や未経験の方は、いきなり正社員として働くことに不安がある場合もあるでしょう。
そのようなときはアルバイト・パートから始めてみましょう。医療事務は独自の業務も多くなるため、あまり負担が大きくないアルバイト・パートから経験を積んでいくというのも1つの方法です。
アルバイト・パートで働く職場で正社員になれないか相談してみるのもおすすめです。
未経験の正社員採用は難しい場合もありますが、アルバイト・パート・派遣などで実務経験を積んだとなれば、正社員雇用を検討してもらえる可能性が高くなります。
未経験で応募する際のアピールポイント
医療事務に就職する際は、書類選考や面接を受けることになります。未経験でも採用担当者の心に残るよう、しっかりと志望動機や自己PRを考えておきましょう。
未経験だからといって、アピールできることが全くないわけではありません。接客業をしていた人であれば、丁寧な接遇や臨機応変な対応ができることなどをアピールできます。
事務職を経験したことがある人なら、計算の速さや仕事の正確さなどがアピールできます。
お子さんがいる方なら、小さい子供や親の気持ちを考えた対応がアピールできるでしょう。
自分の強みを活かして臨んでいくことが大切です。
志望動機は「事務職が良いから」といった曖昧なものや「病院で親切にしてもらって感動したから」といったよくあるものではなく、 「その病院やクリニックの理念を理解したうえで、自分がどう貢献できるか、したいか」などしっかりした考えや意思を含めるようにしてください。 自分なりの言葉でやる気をみせましょう。
医療事務を目指すために有利なスキルとは?
医療事務の仕事に就くためには以下のような知識とスキルを持っているとよいでしょう。
医療事務に関連した民間資格を取得する
医療事務の資格を持っていると、業務未経験でも業務に必要な技能や知識を持っている証となります。
一部の求人では、資格を持っていることを推奨もしくは条件とする場合もあるため、そういった求人では資格の所有が有利になる可能性があります。
医療事務の資格でもどのような資格を取ればいいのかこちらの記事で紹介していますので参考にしてみてください。
関連記事:医療事務の資格にはどんなものがある?難易度についても解説!基本的なパソコンスキルを習得
医療事務の主な業務はPCを使った電子カルテ・レセコンへの入力ですが、できれば基本的なパソコンスキルがあるほうが好ましいです。 WordやExcelを簡単に扱える程度の基礎、PCのショートカットキーのスキルといったものも片手間に学んでおくことをおすすめします。
医療事務でキャリアアップは可能?
ライフスタイルに合わせて就業形態を変えたり、医療機関があれば全国どこでも就業可能だったり、女性にとって働きやすい仕事ではありますが、 キャリアアップしてお給料を上げたりすることはできるのか疑問に思っている方もいるはず。
医療事務でキャリアアップをする方法は、大きく分けて以下の3通りがあります。
1.できることを増やして給料アップ
医療事務は前述したように未経験でも挑戦できる職種です。 ただし、スキル次第で給与が違ったり昇給を狙えたりするため、できることや扱えるスキルが多いほうがキャリアアップを狙えます。
また、加えてマネジメントスキルなども取得していれば、正社員なら管理職などを狙うことも可能です。
2.医療事務の経験を活かせる職へ就職
医療事務の経験は、総合病院やクリニックでしか活かすことができないと思っている方も多いですが他の職へも活かすことができます。
働く場所 | 内容・活かせるスキル |
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医療事務代行会社 | 大規模な医療機関になると外注化が進み、経験のある人材を求めています。働く場所は医療機関の中ですが、雇い主が代行業者になります。 |
審査支払機関 | 医療事務が行うレセプト業務で提出するということは、受け入れ先でも医療事務が必要になります。 医療機関から診療報酬の請求を受けた保険者がレセプトを審査・点検するためです。 |
専門学校 | 未来の医療事務希望者の方たちのために、医療事務講師となるのも1つの道です。 もちろん経験が重要となりますが、自分の知識や経験を人に伝えるやりがいのある仕事です。 |
まだまだ数は少ないですが、他にもこんな活躍のフィールドもあります!
● 救急診療施設 ● 保険者のレセプト点検部署
● 健康増進センター ● 企業内の診療施設
● ホテル内のクリニック ● 訪問看護ステーション ● リハビリテーションセンター
● 介護サービス施設 ● 老人養護施設
3.好待遇の職場へ転職
もし現職で昇給やキャリアアップを狙えないと感じたなら、より好待遇な職場への転職も選択肢に入れてみましょう。 安定的な大きな病院を狙ったり、自分の生活しやすいエリアの職場を選ぶなど、より自身の希望に合った職場も探せるはずです。
これから医療事務を目指す方へおすすめの学習方法
これから医療事務を目指す方で就業前に医療事務の勉強がしたい方におすすめの学習方法をご紹介します。
医療事務を目指しやすい大学の学部
医療事務の仕事をするためには学部・学歴は問われませんが、もしこれから大学や短大を経て医療事務に勤めたいという方は以下の学部があるところで学ぶことがおすすめです。
- 福祉学
- 介護福祉
- 社会福祉
大学や短大でこれらの知識を取得することで医療事務に必要な理論的な知識を身につけることが可能です。時間をかけて業界の考え方や知識を得ることができれば、よりスムーズに医療業界へ勤めやすくなるでしょう。
医療事務専門のスクール
大学に通わずスクールで医療事務の勉強をしたい場合は医療事務向けの専門学校や社会人スクールがあります。 医療事務は未経験でも就職の募集があり専門学校への入学は必須ではありませんが、一人で学習するのは不安な方や、 専門の講師からしっかり教えてもらいたい方におすすめです。
通信講座
まずは、医療事務になるために必要なきっかけがほしいという方には、通信講座での学習がオススメです。大学やスクールに通うよりも費用が安く、 仕事や家事と両立して学習を進めることができます。
まとめ
医療事務の仕事は、医師や看護師さんとともに医療現場で活躍する、病院や診療所の縁の下の力持ち的な職業であるといえます。 患者さんから感謝されることも多く、社会的に意義のある仕事であるといえるでしょう。 病院や診療所は、日本全国様々な地域にあるので、医療事務技術を身につけることで、日本全国どこでも活躍していくことが可能です。
医療事務の仕事は、ライバルも多く、全くの未経験では難しい場合もありますが、就職は不可能ではありません。 医療事務を目指すにあたり、専門の勉強をしていくことは大きなアピールとなります。