Webデザイナーとは?仕事内容や将来性、必要な資格を紹介
Webデザイナーの人気と需要は、ますます高まっています。この記事では、Webデザイナーの魅力や具体的な仕事内容、年収、そして将来性について詳しく解説します。また、必要なスキルや、未経験者でも役立つ資格についてもご紹介します。
Webデザイナーとは?
Webデザイナーとは、クライアントの求める目的やコンセプトに基づき、Webサイトやバナー広告などのデザインを専門的に行う人のことです。「Webクリエイター」や「ホームページデザイナー」とも呼ばれることもあります。
一般的なWebサイト制作の現場では、Webディレクターが作成した「ワイヤーフレーム」と呼ばれる大まかな構成やレイアウトに従い、WebデザイナーがWebサイトのビジュアル、ユーザーにとっての使いやすさや操作性にも配慮して全体のデザインを作り上げます。
一方、フリーランスやインハウスのWebデザイナーは、デザインだけでなく、ディレクションやコーディングを含む全ての工程を一人で担うこともあります。
Webデザイナーの仕事内容
Webデザイナーの具体的な仕事内容は、所属する会社の規模やフリーランスであるかどうかによって大きく異なりますが、主に次の3つの工程に分けられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
関連リンク:
Webデザインとは?Webデザインの勉強方法や将来性について解説
https://haa.athuman.com/media/it/webdesign/2110/
1. ヒアリング~構成・レイアウト決め
まずは、クライアントの要望をヒアリングするところから始まります。
コンセプトやターゲット層、求める成果やイメージなどの詳細な要件を整理して、クライアントと認識を共有します。その上で、それらをもとにニーズに応じた大まかな構成やレイアウト、Webサイト全体のデザインイメージを決定します。
2. UI/UXの設計
次に、ユーザーと製品やサービスの接点となる「UI(ユーザーインターフェース)」と、そのUIを通じてユーザーが体験する「UX(ユーザーエクスペリエンス)」のデザインを行います。具体的には、Webディレクターが作成したワイヤーフレームを基に、グラフィックソフトを使って、クライアントのイメージに沿った魅力的なビジュアルを制作します。
3. コーディング・プログラミング
クライアントが確認でき次第、デザインに基づいてコーディングやプログラミングを開始します。通常、Webサイトのコーディングやプログラミングはそれぞれの専任者が担当しますが、規模の小さな会社やフリーランスでは、Webデザイナーがコーディングやプログラミングまで一貫して担当することもあります。
Webデザイナーの魅力・将来性
インターネットの普及とWeb業界の拡大に伴い、Webデザイナーの需要もますます増加しています。この項目では、Webデザイナーという職業の魅力や将来性について詳しく解説します。
Webデザイナーの仕事の魅力とは?
Webデザイナーの仕事では、以下のような魅力ややりがいを感じることができます。
- 自分のアイデアやスキルを形にして残せる
- 仕事の成果がわかりやすい
- 自分が手掛けたデザインがクライアントの売上に貢献できる
- 新しい技術に触れる機会が多く、成長し続けられる
- さまざまな業界や人々と関わることができる
Webデザイナーの成果は、手がけたサイトのアクセス数やクライアント商品の売上など、数値や評価から明確に読み取れます。また、クライアントからの感謝や称賛の声からもやりがいを感じることができるでしょう。さらに、新しい技術や多様な業界との触れ合いを通じて、視野が広がり、自身の成長を期待できます。
Webデザイナーの将来性
Webデザイナーは、所属する会社の規模や働き方によって、コーディングやプログラミング、さらにはWeb内の文字コンテンツを作成するライティング作業に携わることがあります。そのため、これらの技術を習得できれば、仕事の幅や可能性をさらに広げることができます。
また、Webデザイナーとしての経験を積むことで、将来的にはWebディレクターやWebプロデューサーとしてスキルアップすることも可能です。
Webデザイナーに向いている人
Webデザイナーとして仕事にやりがいや魅力を感じ、楽しみながらスキルアップを続けている人には共通の特徴があります。以下のポイントから、自分がWebデザイナーに向いているかどうかを確かめてみましょう。
1. デザインが好き
「デザインが好き」ということは、Webデザイナーを目指す人に最も重要な特徴です。ただし、単にアートやファッションが好きというだけでなく、日常的に絵やイラストを描いたり、頭の中に浮かんだアイデアを形にしたいと考えている人がWebデザイナーに向いていると言えます。
また、楽しみながら仕事をしているWebデザイナーは、成長意欲が高いことも特徴です。常に新しい技術やトレンドに興味を持ち、センスを磨きながらアイデアの引き出しを増やし続けています。さらに、自分のデザインを生み出すことに喜びを感じるだけでなく、どのように自分のデザインが相手を喜ばせるかについても考えています。
2. 仕事を効率化できる
Webデザイナーは華やかな仕事のように思われがちですが、実際には多大な集中力を要する地道な作業が大半を占めます。特にデザインやコーディングの作業には、正確さと粘り強さが求められます。
Webサイトの制作現場では、日々進化するパソコン技術を習得しながら、限られた時間で効率的に作業を進める工夫が重要です。そのため、物事を効率的に進める方法を積極的に考え、実行できる人がWebデザイナーに向いています。
また、Webデザインの環境は流れが速く、多忙な毎日の中で楽しんでいるはずのデザインの仕事が苦痛になってしまうこともあります。そのため、適度に気分転換を図ったりストレスを解消し、目の前の作業に集中できる力も必要です。
3. 質問力が高い
「質問力」が高く、相手が求めているものや考えについて自発的に知りたいと思える人もWebデザイナーに向いています。
Webデザイナーは、クライアントのニーズを正確に理解し、それを具体化する必要があります。しかし、デザインに関する知識が少ないクライアントは、要望をうまく言語化できないことがよくあります。そうした場合には、Webデザイナーがサイトの目的、ターゲット、理想のイメージ、納期や予算などを丁寧にヒアリングをして全体像を明確にします。
また、Webサイトの制作現場では、クライアントだけでなく他のチームメンバーと連携してプロジェクトを進めることが多く、意思疎通を円滑に図るためのコミュニケーションスキルも非常に重要です。
Webデザイナーの年収
Webデザイナーの年収は、勤務先の規模や働き方、個々のスキルや経験によって異なりますが、平均して250万円から500万円程度と言われています。
一般的なデザインだけでなく、最新のUIやUXに配慮した画面設計や、さまざまな業界・業種の幅広いニーズに対応できるデザイナーは高く評価されることがあります。また、企画力やマネジメント能力を高めることで、WebディレクターやWebプロデューサーにキャリアチェンジする人のほうが年収が高くなる傾向があります。
さらに、フリーランスのWebデザイナーとして独立する場合、多くの案件に対応することで報酬を増やすことが可能なため、年収1,000万円を目指すことも夢ではありません。
Webデザイナーに必要なスキル
Webデザイナーとして幅広く活躍するためには、以下の知識やスキルを身につけておくことをおすすめします。最初からすべてを習得しようとするのではなく、経験を積み重ねながら少しずつ身につけていく方が現実的です。
1. プログラミングスキル
専門的なコーディングやプログラミングスキルがあれば、Webデザイナーの仕事の幅が広がるだけでなく、転職の成功率も上がります。
また、基本的なプログラミングの知識やスキルを持つだけでも、コードでは再現できないデザインを避けられ、コーダーやエンジニアとの連携が取りやすくなります。
2. Illustrator・Photoshopのスキル
Webデザイナーには、Webデザインを具体化するためのグラフィックソフトの習得が必須です。
最低限でも、多くのWebデザイン業務で使用されているAdobeのIllustratorとPhotoshopの操作スキルをマスターし、クライアントの要望やデザインに応じて適切に選択し、使い分けられるように準備しておきましょう。
3. デザインスキル
Webページを構成する要素は、フレームや目的があらかじめ決まっていることが多いため、Webデザインに関する知識がなければWebデザイナーの仕事を務めることは難しいでしょう。
また、クライアントが求めるイメージやクオリティに合ったWebサイトを作成するためには、配色やフォント、文字やイラストなど、デザインの引き出しを増やしておくことが重要です。
4. Webマーケティングスキル
Webデザイナーとしての幅を広げるためには、Webマーケティングの知識を身につけることも重要です。
Webマーケティングスキルを持っていれば、見た目だけでなく、収益や集客力の高いWebデザインを提供できます。さらに、Webサイト公開後のアクセス分析などの情報を提供できれば、信頼性の高いWebデザイナーとして注目される可能性があります。
5. マネジメントスキル
将来のキャリアを見据えて、マネジメントスキルを身につけておくことも重要です。
制作チームのリーダーやWebディレクターにキャリアアップする可能性を高めるだけでなく、転職の際にもアピールポイントとして役立ちます。
マネジメントスキルは、Webデザイナーとしての経験を積み重ねながら、少しずつ学んでいくのが理想的です。
Webデザイナーに役立つ資格
ここからは、Webデザイナーの仕事の幅を広げたり、キャリアアップに役立つおすすめの資格をご紹介します。なお、Webデザイナーに役立つ資格には、デザイン系とコーディング系のものがあります。
ウェブデザイン技能検定
「ウェブデザイン技能検定」は、厚生労働省が認定するWeb業界唯一の国家資格であり、Webサイトのデザインに必要な幅広い知識と能力が認定されます。この検定は、自分のスキルを客観的に示すことができるため、就職や転職の際に非常に役立ちます。
ただし、1級および2級を受験するためには、実務経験が必要です。
外部リンク:
ウェブデザイン技能検定
https://www.webdesign.gr.jp/
HTML5プロフェッショナル認定資格
「HTML5プロフェッショナル認定資格」は、Web業界で求められるHTML5、CSS3、JavaScriptなどの知識を体系的にまとめた実践的な資格試験です。
試験は「レベル1」と「レベル2」に分かれており、「レベル2」に合格することで、最新のマルチデバイスに対応したWebデザインを開発・設計できるスキルを証明できます。
外部リンク:
HTML5プロフェッショナル認定試験
https://html5exam.jp/
Webクリエイター能力認定試験
「Webクリエイター能力認定試験」は、ビジネス能力認定サーティファイが実施する、Webサイトを制作するために必要なHTMLやCSSなどの知識レベルを測る初心者向けの試験です。
試験内容には、実際にWebサイトを作成する実技試験も含まれているため、Webデザイナーとしての基礎的な知識とコーディング能力を証明できます。
関連リンク:
Webクリエイター能力認定試験
https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/
未経験・独学からWebデザイナーを目指すには?
Webデザインや制作に関する知識とスキルがあれば、未経験でもWebデザイナーの仕事に就くことが可能です。さらに、知識やスキルの高さを証明できる資格があれば、即戦力として歓迎される可能性も高まります。
Webデザイナーを目指すには、HTMLとCSSに関する基礎的な知識を身につけることが重要です。HTMLとCSSは、Webサイトの構築やデザインに使用される比較的簡単な言語であるため、通信講座などを活用して独学で学ぶこともできます。
また、Webサイトを制作する際に必要なコーディングやプログラミングなどの専門的な知識に加えて、収益や集客率を向上させるWebマーケティングなどの幅広い知識を合わせて学ぶことで、さらに高い評価を受けるWebデザイナーになることが期待できます。
まとめ
Webデザイナーの仕事は、勤務形態にこだわらず、副業や在宅ワーク、フリーランスなど、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選べるのが魅力です。Webデザイナーを目指すなら、通信講座やスクールを活用して、必要なスキルと知識を身につけましょう。